筋力トレーニングと筋肥大トレーニングは両立しない。スペイン語とドイツ語くらい違う。
どーも
クエルポの中島です。
今回は
【筋力トレーニングと筋肥大トレーニングは両立しない】
について配信していこうと思います。
少し難しい内容ですのでトレーニングに興味がない人はスルーして頂いて結構です。
皆さんマラソン選手とボディビルダーの区別は勿論つきますよね?
マラソン選手もボディビルの選手もどちらもバードにトレーニングを積んでいますが、身体に現れる変化は大きく異なります。
それは何故でしょうか?
それはトレーニングには特異性の原理というものがあるからです。
特異性の原理とは1つのトレーニングの効果は1つだという事です。
つまり、腹筋をしたら腹筋が強くなりますし、持久的な運動をしたら持久力がアップします。
トレーニングやワークアウトと言っても皆さんのトレーニングをする目的は人それぞれかと思います。
トレーニングはあくまでも手段です。トレーニングが好きだからただ行うというのは間違っていますので、生理学の本を読み見直す事をお勧めします。
筋肉をつけたい人(筋肥大)もいれば筋力をつけたい人もいるでしょう。持久力を高めたい人、瞬発力を高めたい人 特定の競技スキルを高めたい人とトレーニングをする目的は人それぞれです。
その人の目的に合った個々の運動プログラムが必要で、YoutubeやSNSでよくあるこの運動を5分やれば全ての人がオールオッケーみたいなプログラムは存在しないという事です。
ただ、今のフィットネス業界では筋力を高めたいのにジムで筋肥大のトレーニングを行っている人を多く見かけます。
かなり多いです。
重要なので2回言いました。
アスリートがフィジーカーやビルダーのトレーニングを真似しても意味がありませんので気をつけましょう。
厄介な事に筋力を目的としているトレーニングと筋肥大を目的としているトレーニングは見分けがつきにくいということも挙げられます。
「この人は筋力トレーニング、あっちの人は筋肥大トレーニングを目的にしているな」というような明確な区別はつきますか?
区別がつくよ!という人はレップ数やレスト時間、フォームや挙上速度などを詳しく観察しているトレーニー上級者ですね。
基本的には1つの運動プログラムの中で筋力をUPさせて、さらに筋肥大も狙うという2つの良いとこ取りは出来ません。
筋力トレーニング(筋力を上げる)を目的とする運動プログラムのおまけで筋肥大(筋肉が大きくなる)がついてくることはありますが、あくまでも付属です。
ただ、このおまけがつくのもトレーニング初心者までです。
つまりトレーニング初心者以外は両者のいいとこ取りはできないという事。
例えると、スペイン語とドイツ語を同時に学ぶことは出来ないという事になります。
あなたには「何のためにトレーニングをしているのか?」を明確にしてもらう必要があるのです。
実は筋肥大トレーニング(筋肉をつける)は筋力トレーニング(筋力を上げる)より単純です。
それは何故なのか?
筋肥大トレーニングは量をこなす事が大切です。多少、前回のワークアウトの疲労が残っていたとしても重量を落としてセットを分割させて量をこなせば良いのです。トレーニングの総量が大切になってきます。
もう上がらないと思ってから+1回挙げる事ができればその日の筋肥大のトレーニングは成功したといえるでしょう。
ただ筋力トレーニングの場合はもう少し複雑です。
筋力トレーニングの場合は質にフォーカスを当てなければなりません。
ですので週、月の疲労度を計算して運動プログラムを作成しましょう。
前のワークアウトの疲労が残っている時点でその日のワークアウトは失敗に終わります。
そして、スクワットやデッドリフトの技術的な面も筋力トレーニングでは大切になってきます。
筋肥大の場合は関節の屈曲角度を変えてハムストリングスに効かせたり大腿四頭筋に効かせる事が出来ます。
しかし、筋力トレーニングの場合は、どれか一部位の筋肉が最大伸張されるフォームでは最大筋力が発揮できません。全身の各関節でいかに負荷を分散させて高重量を扱えるかが鍵になってきますので、よりフォームやテクニックが複雑になってきます。
筋力トレーニングでは神経疲労疲労を考慮して RIR1-2(1-2Rep余裕を残す回数)まで行う事が推奨されています。
そして、回数で言うと、
筋力トレーニングは3-6回
筋肥大トレーニングは5-30回
極論を言うと
「筋力トレーニングの量は最小限」
「筋肥大トレーニングの量は最大限」
が理想です。
筋力トレーニングの量が最小限である理由は過度な疲労はウエイトを挙げる能力にマイナスの影響を与える為です。(筋力は神経活動の関与がかなり大きい為。)
筋力トレーニングは常にフレッシュな状態でワークアウトに挑まなければならないのです。
ですので、疲労感が出てきた時点でレストをかなり長く取るか、ワークアウトを辞めるのが得策になります。
次回のワークアウトに影響が出ない為にも過度な疲労を感じる前に終わりにしましょう。
ただ、そんな事を言ってもどちらも向上させたいという欲張りさんはいると思います。
一年を期間分けして冬季は筋肥大、夏季は筋力の様に分けるのであれば良いのですが、1日や1週間の中で筋力と筋肥大のトレーニングをごちゃ混ぜにするのはナンセンスです。
よくある間違いが、筋力向上を狙っているのにも関わらず、最後のセットで上げられなくなるまで限界まで追い込む事です。
神経疲労的にも筋力アップに繋がらないセットですし、次のワークアウトに疲労を持ち越すだけですので良くありません。
ただ、一つ朗報として、
筋力向上のトレーニング中に筋量が減少することは現実的にあり得ない事が分かっています。
つまり筋力向上を目的としていれば筋肉量が増えることは無いにしても減少することはあり得ないという事です。
最後に補足として、ボディビルダー(筋肉を付けたい人)が筋力トレーニングをするメリットはほぼ無いに等しいです。高重量を扱うことによる怪我のリスクが高まるからです。
しかし、パワーリフター(筋力を上げたい人)が筋肥大のトレーニングを一時的に一定期間するメリットは有ります。
それは神経活動を除き筋の横断面積が筋力に比例するからです。
皆さんも何のために日々辛いトレーニングをしているのか?そしてその目的に合ったプログラムをこなせているのか?を自問自答してみましょう。ゴールが明確な方がトレーニングのやりがいもありますし、楽しいです。
以上【筋力トレーニングと筋肥大トレーニングは両立しない】 でした。
運動プログラムを作成してほしい方はご連絡ください。